原因は何ですか? |
特に、中高年に発生率が高い疾患です
当院の統計では、中高年男性の方は頚椎の変形と関係が深く、中高年女性の方は骨盤と背骨のバランスに誘発されています。
若年層のテニス肘は稀ですが、頚椎の外傷(むちうちなど)と肩の故障から、二次的に発生するケースが多く見られます。
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表1:障害年齢 |
腕の運動を支配する神経や血管の元は首にあり、背骨と肩を通して肘に至ります。テニス肘の病態は、背骨の老化現象など加齢変化を基盤として、背骨のバランスの崩れ、肘関節から手指の筋腱の使い過ぎなど、様々な要因が重なって、腕の血液循環と神経の働きが悪くなり、肘関節の疼痛が引き起こされると考えられています。(図1 参照) |
- 左テニス肘レントゲン写真 - |
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治療前(重度) |
治療後 |
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単純なテニス肘は、「肘外側の骨のでっばりを押すと痛む」「コップを持ち上げるような動作ができない」といった症状です。首と肩などが関連してる場合は、腕に全体的な痛み、だるさ、しびれなどを伴うことが特徴です。
痛む部位により、「外側型」「内側型」「後方型」の3つに分けられ、最も多い外側型の痛みは、バックハンドストロークやバックボレーのインパクト時、日常生活動作では、タオルを絞る時、ドアのノブを回す時などに生じます。重症の場合は、箸も持てません。
私には無縁の故障だと思いがちですが、ある日、突然痛みを感じます。そのうち治るからと、対処が遅れて、痛みがひどくなる例が多いので、はやく専門家に相談して下さい。
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一般の医療機関では、テニス肘に対して、肘の治療だけに目がいく場合が多いようですが、身体全体をトータルに診て、治療を行うことが必要です。
テニス人口が増加するなかで、できるだけ多くの人がテニス肘に悩まされることなく、テニスを長く楽しむためには、診療に当たる先生やコーチ、トレーナーが、プレーヤーに対し、テニス肘の予防について十分に啓発することが、最も重要だと思います。 |

- 右テニス肘 MRI - |
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〜テニス肘の危険因子〜 |
テニスをプレイ中に、以下のことを気にしてみてください。ちょっとしたことですが、繰り返されることで、少しづつ体に負担となっています。
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(図1:テニス肘発症の危険因子) |

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肩を内側や上に回すと痛む、クリクリ音がする
鎖骨真上の窪み(欠盆穴)を押すと痛む、腕がだるくなる
肩甲骨間の痛み、悪い側を下にして寝ると痛みが強くなる
肩及び腕全体が重くて痛む。
肩こりがひどく背中が痛い、時に、偏頭痛を伴う
手首や肘が、仕事の時間経過に伴い痺れたり、痛くなる
何となく手や指に力が入りにくいような気がする
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